温浴施設において、日々の営業の結果は営業日報、月報といった形でまとめられ、過去からの推移を比較したり、運営努力の成果を確認したりすることに活用されているかと思います。
コンサルタントとして現場にお邪魔する時は、損益計算書だけでなく日報の数字を拝見させてもらうことが多いのですが、必要なはずの情報が記載されていなかったり、重要な分析がなされていないケースが多いことが気になっています。
毎日POSシステムから出力されるものを綴じているだけで、誰もあらたまって数字を分析していないことも少なくありません。
経営的に満足な状態にあり、何も悩みがないのであれば、あらたまって数値管理や分析に一生懸命になる必要はないのかもしれませんが、そんな良い経営状態の施設は稀で、多くの場合はいろいろな問題を抱えて悩んでいるのです。
業績に問題があるのであれば、その数字を分析して原因を追究したり対策を練ったりしなければ、変化に気づくのも遅れてしまいますし、改善に向かうことは難しいでしょう。
日報には単に売上と客数を記録するだけではなく、必要なデータを入れれば自動的に分析結果が出るようにエクセルシートに計算式を入れておけばいいのです。
例えば、水光熱費が高くて困っているなら、毎日メーターチェックして、客数で割って1客あたり使用量を確認する。
人件費を抑えたいなら、売上比率だけでなく人件費予算との乖離を日々チェックしたり、人時生産性や人時接客数をチェックすることで具体的な対策やその成果が分かるようになります。
広告宣伝の費用対効果が気になるなら、媒体別のクーポン回収状況を毎日集計すべきでしょう。
何かの部門の売上を伸ばしたいなら、その部門に踏み込んだ利用率や生産性のチェックが必要になります。
支配人や経営者は日々その分析数値の報告を受け、次の一手を考える。
現場ともデータを共有し、全社的に数値意識を高める。
毎日の売上や客数を見て一喜一憂しているだけでは事態は改善ないのです。
そう考えると、日報とはその企業の状態や目指す方向によって様々な形式があってしかるべきだし、過去と現在では分析、管理すべき項目が違って当然ではないでしょうか。
いま自分たちにとってあるべき日報とはどんなものなのか、ぜひ考えてみてください。
また、具体的な分析手法や業界標準値との比較などの情報が必要な時は、お気軽に当社にご相談ください。
◆〇▼>>>
コメント