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温泉の純化(5)

以前、この温泉の純化シリーズで、
「源泉はひとつひとつが異なる個性を持ってますから、湧出地の周辺環境も含めて、単純な判断基準で優劣を決めることはでませんし、同じ扱い(施設計画や設備設計)をできるはずがありません。その温泉がもっとも良い状態で最大限に魅力を発揮していることこそが大切だと思うのです。」
と書きました。今回はこれにまつわる事例をひとつ書きたいと思います。
 
開業以前からのお付き合いで、首都圏でも人気の日帰り温泉「おがわ温泉花和楽の湯」では、オープンから12年が経過しました。
 
当初から温泉の質にこだわっていた新田社長の意向で、様々な滅菌方法を検討したり保健所との相談を経て、すべてを濾過循環方式にするのではなく吐水口からは常に新しい源泉を投入する方式を採用しました。
 
稀少なpH10.1の泉質を少しでもよい状態で楽しんでいただくための工夫でした。
 
それから12年の月日が経ち、首都圏にも魅力的な日帰り温泉施設が次々とつくられ、天然温泉に対する利用者の評価基準も以前とは変わってきました。
 
木造で素朴な田舎風の情緒が魅力のおがわ温泉花和楽の湯ですが、さすがに老朽化箇所が目に付くようにもなり、リニューアルすべき時期になってきました。
 
どのようなリニューアルをすべきかという議論になり、本格的な源泉かけ流しの導入も考えましたが、おがわ温泉花和楽の湯の源泉湧出量は毎分70L=毎時4.2tですから、残念ながら大きな浴槽(×男女)を毎時1ターン以上のペースでじゃんじゃんかけ流しできるほどには湯量がありません。
 
大浴槽を諦めて小さな源泉かけ流し浴槽を持つことも考えましたが、そのような施設なら全国に多々ありますし、繁忙日には千人を超える利用客がある花和楽の湯で小さな源泉かけ流し浴槽をひとつ作ってもアンバランスです。
 
議論が煮詰まってきたときに、ふと以前仕事帰りに飲んでいるときに思いついてアイデアを温めていた「全量入れ替え方式」の話をしてみました。
 
全量入れ替え方式とは、浴槽のお湯をいったん全部捨て、新湯と完全に入れ替えてしまうことです。投入する新湯の量が同じでも源泉かけ流し方式より効率が良いため、少ない湯量でも新鮮で清潔な源泉を楽しんでいただくことができます。

Photo_2

問題点は、入れ替えを行っている最中にはその浴槽を利用できないということと、そのような設備の事例がほどんどないためノウハウの蓄積がなく試行錯誤になることです。
実際、これまで何人かの人にはこの話をしてみたのですが、ピンと来ないようでした。
 
しかし、12年前にも数々の困難や暗中模索の中で花和楽の湯を開業させた新田社長、決断が早いのはさすがです。すぐに全量入れ替え方式をやろう!ということになりました。
これも、温泉の純化のひとつの形だと思います。
 
そして現在、おがわ温泉花和楽の湯は休館し、10月下旬のリニューアルオープンに向けて改装工事がはじまっています。
 
あの微硫黄臭がする高アルカリのツルツル源泉に入れるようになるのかと思うと、今から楽しみです。

Photo

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