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【政権交代】気になる温浴ビジネスへの影響(長文です)

 今回の衆院選は民主党の圧勝となり、1955年から続いた自民党による長期政権(正確には1993年の細川護熙内閣で一時的な政権交代がありました)から、民主党への歴史的な政権交代が実現しました。

はたして民主党が掲げる政策によって、新しい日本の幕開けとなるのか、経済や国民の生活がどうなるのかが見えてくるまでには、もう少し時間が必要と思われますが、民主党のマニュフェストを見ただけでも、温浴ビジネスに与える影響は少なくなさそうです。

「風が吹けば桶屋が儲かる」的なことまでは予測できませんが、影響を感じる要因について少し考えてみました。

------民主党Manifesto20090727より引用------
21.後期高齢者医療制度を廃止し、国民皆保険を守る
22.医療崩壊を食い止め、国民に質の高い医療サービスを提供する
23.新型インフルエンザ等への万全の対応、がん・肝炎対策の拡充
-------------------------------引用ここまで

 国民の健康に関する施策という点では、本質に踏み込んだというよりも、全体的にまだ対症療法的な印象を受けます。

温浴ビジネスを通じてお客様の健康改善のお手伝いに本気で取り組みつつ、温浴施設の利用が健康改善に効果があるということを実証し、もっとアピールしていかなければ、と考えています。

------民主党Manifesto20090727より引用------
29.目的を失った自動車関連諸税の暫定税率は廃止する
【政策目的】
○課税の根拠を失った暫定税率を廃止して、税制に対する国民の信頼を回復する。
○2.5兆円の減税を実施し、国民生活を守る。特に、移動を車に依存することの多い地方の国民負担を軽減する。
【具体策】
○ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率は廃止して、2.5兆円の減税を実施する。
○将来的には、ガソリン税、軽油引取税は「地球温暖化対策税(仮称)」として一本化、自動車重量税は自動車税と一本化、自動車取得税は消費税との二重課税回避の観点から廃止する。

30.高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る
【政策目的】
○流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。
○産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。
○高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。
【具体策】
○割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく。

-------------------------------引用ここまで
 2008年のガソリン価格の高騰や、2009年3月31から5月1日までのガソリン税暫定税率の失効、そして2009年に実施された「高速道路休日1,000円」でも、消費者の動きには大きな変化がありました。

ガソリン代や高速道路料金が軽減・無料化されれば、交通の抵抗要因である時間や金銭的な負担が軽減されるので、基本的に商圏が拡大(広域集客)しやすくなるという方向に作用します。

ただし、高速道路料金に1000円という基本料金が設定されていると、「どうせならもっと遠くへ」という心理も働きますので、人口集積地との距離によってプラスに作用する場合と、マイナスに作用する場合がありました。

無料化であれば、自然と商圏が拡大しやすくなるという単純な変化になると思われます。高速道路が渋滞して使えなくなるのではという指摘もありますが、渋滞がひどければ一般道に流れるだけのことで、トータルとしての交通インフラの利便性は向上しているのですから、今より自動車での移動が促進されることには変わりないと思います。

逆に「近くて、移動に時間や費用の負担が少ない」ということだけが集客要因だった近隣集客型の温浴施設はシェアを落とす懸念もないとは言えません。

税率は22年度から、高速道路も22年度から段階的にとのことですので、近い将来(2010年)に変化を感じることになりそうです。

------民主党Manifesto20090727より引用------
33.郵政事業を抜本的に見直す
【政策目的】
○現在の郵政事業には、国民生活の利便性が低下していること、地域社会で金融サービスが受けられなくなる可能性があること、事業を担う4社の将来的な経営の見通しが不透明であることなど、深刻な問題が山積している。郵政事業における国民の権利を保障するため、また、国民生活を確保し、地域社会を活性化することを目的に、郵政事業の抜本的な見直しに取り組む。
【具体策】
○「日本郵政」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の株式売却を凍結するための法律(郵政株式売却凍結法)を可及的速やかに成立させる。
○郵政各社のサービスと経営の実態を精査し、国民不在の「郵政事業の4分社化」を見直し、郵便局のサービスを全国あまねく公平にかつ利用者本位の簡便な方法で利用できる仕組みを再構築する。
○その際、郵便局における郵政三事業の一体的サービス提供を保障するとともに、株式保有を含む郵政会社のあり方を検討し、郵政事業の利便性と公益性を高める改革を行う。

-------------------------------引用ここまで
かんぽの宿は、まだ70施設を日本郵政が所有しています。これが前回のように市場性と乖離した価格で売却されるようなことになれば、温泉・宿泊業界に少なからぬ影響を与えることになります。

国民の資産であるかんぽの宿を今まで以上に有益に機能させることには異論はありませんが、前回のような奇妙なことにならないよう、今後も注視していく必要があります。

------民主党Manifesto20090727より引用------
35.中小企業向けの減税を実施する
【政策目的】
○中小企業やその経営者を支援することで、経済の基盤を強化する。
【具体策】
○中小企業向けの法人税率を現在の18%から11%に引き下げる。
○いわゆる「1人オーナー会社(特殊支配同族会社)」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止する。

36.中小企業憲章の制定など、中小企業を総合的に支援する
【政策目的】
○わが国経済の基盤である中小企業の活性化を図るため、政府全体で中小企業対策に全力で取り組む。
【具体策】
○「次世代の人材育成」「公正な市場環境整備」「中小企業金融の円滑化」などを内容とする「中小企業憲章」を制定する。
○最低賃金引き上げを円滑に実施するため、中小企業への支援を行う。
○「中小企業いじめ防止法」を制定し、大企業による不当な値引きや押しつけ販売、サービスの強要など不公正な取引を禁止する。
○貸し渋り・貸しはがし対策を講じるとともに、使い勝手の良い「特別信用保証」を復活させる。
○政府系金融機関の中小企業に対する融資について、個人保証を撤廃する。
○自殺の大きな要因ともなっている連帯保証人制度について、廃止を含め、あり方を検討する。
○金融機関に対して地域への寄与度や中小企業に対する融資状況などの公開を義務付ける「地域金融円滑化法」を制定する。
○公正取引委員会の機能強化・体制充実により公正な市場環境を整備する。
○中小企業の技術開発を促進する制度の導入など総合的な起業支援策を講じることによって、「100万社起業」を目指す。

-------------------------------引用ここまで
 法人税の減税は中小企業にとって福音です。法人税率が7%も違うと、中小企業の財務はかなり健全化の方向へ変わってくると思います。

また、現在温浴施設の新規開業がペースダウンしている大きな要因のひとつが資金調達難です。

土地があって、与信もそこそこあり、事業意欲もある企業が、金融機関から資金調達できないという理由で事業中断を余儀なくされているケースが相当あると感じています。

中小企業への融資が円滑になれば、高齢化や健康志向という追い風を見据えた成長産業として、温浴事業に取り組む案件が再び増えてくるのではないかと予想します。

------民主党Manifesto20090727より引用------
40.最低賃金を引き上げる
【政策目的】
○まじめに働いている人が生計を立てられるようにし、ワーキングプアからの脱却を支援する。
【具体策】
○貧困の実態調査を行い、対策を講じる。
○最低賃金の原則を「労働者とその家族を支える生計費」とする。
○全ての労働者に適用される「全国最低賃金」を設定(800円を想定)する。
○景気状況に配慮しつつ、最低賃金の全国平均1000円を目指す。
○中小企業における円滑な実施を図るための財政上・金融上の措置を実施する。

-------------------------------引用ここまで
 最低賃金が引き上げになった時、それが単純に人件費増になってしまうとしたら、大変な経営圧迫要因になります。

仮にパート・アルバイトの月間人件費が500万円で、平均時給が2割上がったとしたら、年間1200万円の利益が消える計算になります。

人件費増を他のコスト削減で吸収するのは、すでに限界だと思います。賃金の上昇に対する抜本的な対策は、一人当たり生産性を高めることしかありません。

単なる作業の頭数として人を使うのではなく、生産性向上のためにはスタッフの採用や教育にもっと力を入れて取り組む必要があります。

この点で、温浴業界の現実は他のサービス業と比べても残念ながらまだまだです。しかし、これは向上の余地を大いに残しているということでもあります。

人材のレベルアップへの取り組み方が、大きな差を生む時代になるでしょう。

------民主党Manifesto20090727より引用------
42.地球温暖化対策を強力に推進する
【政策目的】
○国際社会と協調して地球温暖化に歯止めをかけ、次世代に良好な環境を引き継ぐ。
○CO2等排出量について、2020年までに25%減(1990年比)、2050年までに60%超減(同前)を目標とする。
【具体策】
○「ポスト京都」の温暖化ガス抑制の国際的枠組みに米国・中国・インドなど主要排出国の参加を促し、主導的な環境外交を展開する。
○キャップ&トレード方式による実効ある国内排出量取引市場を創設する。
○地球温暖化対策税の導入を検討する。その際、地方財政に配慮しつつ、特定の産業に過度の負担とならないように留意した制度設計を行う。
○家電製品等の供給・販売に際して、CO2排出に関する情報を通知するなど「CO2の見える化」を推進する。

-------------------------------引用ここまで
 現在でも、大型温浴施設や多店舗化している企業では省エネ法対策に取り組んでいますし、CO2削減の設備投資に対する各種補助も盛んです。

しかし、今回民主党が掲げた目標は現行の目標設定よりもはるかに高い目標です。温浴施設は一般の商業施設やビルと比べても大量のエネルギーを消費しますので、より積極的な取り組みが求められることになるでしょう。

「地球環境にやさしい温浴施設」は健康と並ぶ重要なテーマになってくることと思います。

 

 長くなりましたが、この政権交代によって起こる様々な変化にも、上手に適応できるよう明るく希望を持って対処しましょう!

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