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銭湯が復活する日(長文です)

■閉店のお知らせに思う

 自宅から一番近くにあった若松湯という銭湯が、つい先日廃業となりました。

Wakamatsuyu20080322 貼り紙には廃業の理由は書かれていませんでしたが、煤けた煙突とレトロな雰囲気の建物は、さびれゆく商店街の中でも独特の存在感がありました。なくなってしまうのは寂しいことです。

 かつて庶民の生活に必要不可欠な場として普及した銭湯ですが、自家風呂の普及とともに、その役割を終えつつあると言われています。施設の老朽化、原油の高騰、後継者不在…休廃業の理由はそれぞれですが、全国的に一般公衆浴場(銭湯)の減少が続いています。

生活必需的機能を提供する役割があった故に、物価統制令や公衆浴場法によって保護されたことが、かえって時代の変化に適応する時機を逸する原因になってしまっているのかもしれません。

身体を洗う場として銭湯が必要とされた時代は過ぎ去りつつあり、そしてそれと入れ替わるようにスーパー銭湯などの大型温浴施設が増えているように見えます。

 しかし、その温浴施設同士の競争も激しくなり、いま温浴業界は差別化のためにますます大型化、ハイグレード化に向う傾向が強くなっています。

かつてのスーパー銭湯は入浴料500円前後の攻防でしたが、最近オープンするスーパー銭湯はほとんどが600円~1,000円と、ワンランク上の価格帯となっています。

もちろん、いち温浴施設が差別化戦略として競合相手よりも大型に、ハイグレードに向う、という考え方は間違っていませんが、皆が一様にそこへ向かえばまた同じことが起きるだけなのではないでしょうか。

 
■流通業界に見る商圏の棲み分け

 大型化、郊外化といった流れは、流通業界の歴史を繰り返しているようにも感じます。商店街の一般商店からスーパーマーケット、量販店、百貨店、ショッピングセンター、複合SCへ…それぞれに温浴業態をあてはめてみると、まるで流通業の縮図を見ているようです。

一方の流通業界では、一般商店に代わる小商圏型業態として、コンビニエンスストアが登場しました。あるいは独自の個性を伸ばして生き残りを図る店舗や、高度なノウハウを持ったチェーン店が大型店と棲み分けながら生活型の商圏を支えています。以前から商店街の消滅ということが議論されていましたが、生活の単位として、小商圏は消えてなくなるわけではないのです。

 温浴業界では…?このまま大型施設が増え、銭湯が消えゆくばかりだとしたら、「低価格で」「日常的に」「近くて便利な」「短時間で」といった小商圏需要は置き去りにされてしまうのではないでしょうか。

 これから高齢化が進めば、車で郊外へ向かうばかりでなく、近くにあるなら徒歩や自転車で利用したいと思うお客様も増えるでしょうし、今後の経済情勢から考えると「ゆったりと贅沢な時間」を求める人ばかりでなく「低価格で」「短時間で」という需要が高まってくる可能性も忘れてはならないと思います。

 
■銭湯が復活する日

 今から半世紀前の船橋ヘルスセンター開業にはじまった健康ランドが、癒しや健康、美容、憩いなどの新しい価値を提供する温浴ビジネスの可能性を切り拓き、それがスーパー銭湯によって一般庶民の楽しみとして普及してきました。

もはや温浴ビジネスは徒花ではなく、国民的な生活習慣のひとつとして定着つつあると言ってよいでしょう。

 想像してみてください。もし世の中に大型ショッピングセンターしかなかったら、とても不便ですし、逆にコンビニエンスストアしかなくても困るでしょう。

温浴もそれと同じことで、スーパー銭湯だ、岩盤浴だと特定のビジネスモデルや流行に飛びつくばかりでなく、それぞれの立地、経営資源、地域性、商圏構造などに応じて、それぞれの戦略や役割を考えなくてはならないはずですし、それができるところまで温浴マーケットは成熟してきているのではないでしょうか。

 消費者の立場から見れば、小商圏型温浴ビジネスは、なくてはならない存在なのです。今までの身体を洗う場所としての銭湯とは少し形を変えて、小商圏型の温浴施設が見直される日もそう遠くないと感じています。

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